クレジットカード業界の現状と今後の動向は?

クレジットカード業界の市場規模は、今後更に拡大していくと予測されています。

今回はクレジットカード業界の動向を把握するために、クレジットカード決済比率の推移、日本と海外で異なるショッピングのクレジットカード決済比率、今後のクレジットカード業界の要素についてご紹介しましょう。

日本のクレジットカード決済比率は年々上昇?

一般社団法人日本クレジット協会が発表した「日本のクレジット統計」によると、クレジットカード業界の市場規模は年々拡大している事が分かっています。

信用供与額(クレジットカード会社等が1年間に消費者に信用供与した金額)と信用供与残高(信用供与額のうち、期末時点において返済されていない残高)の二つの数値をみてみましょう。

西暦 信用供与額 信用供与残高
2013年 417915億円 79876億円
2014年 462663億円 85797億円
2015年 498341億円 92804億円

情報は少し古いですが、右肩上がりの成長を続けているのがわかりますよね。

そして、消費者庁が発表した「オンライン決済、スマホ決済の動向整理」によると民間の消費者支出に対するクレジットカード決済の割合は、増えていますね。

インターネットの普及によるネットショッピングの発達などを追い風に、今後もこの流れは続いていくでしょう。

2019年4月に発表された一般社団法人キャッシュレス推進協議会の報告書「キャッシュレス・ロードマップ2019」によると、日本のキャッシュレス決済比率は2008年から2017年にかけて増加。

2018年度のキャッシュレス決済規模はなんと65兆3720億円、そのうちの77.3%がクレジットカードの利用によるものです。

この数値は年々増加すると言われており、2025年度には112兆円の規模まで膨れ上がるといわれていますよ。

これだけキャッシュレス市場が拡大するのはなぜなのか?

それは「EC利用の増加」と「政府の支援」の二つが理由になります。

EC利用の増加

そもそもECとはElectronic Commerceの略で「電子商取引」と訳されます。

インターネットを介したモノ・サービスの取引全般を指す言葉で、近年急激な成長を見せている分野です。

このECの利用者が大きく増えたことが、キャッシュレス市場の拡大に大きな影響を与えたと考えられます。

たとえばAmazonやZOZOTOWNでの買物に、現金ではなく、クレジットカード登録をし、利用するなどは皆さんやってますよね。

EC利用が増加することでキャッシュレス決済が進むのも頷けます。

政府の支援

日本でのキャッシュレス決済比率を向上させるために、政府が取り組みをおこなっています。

消費者への利便性をもたらし、事業者の生産性を向上させるために、2025年までにキャッシュレス決済の比率を4割程度に、さらに将来的には世界でも最高水準の80%にまで引き上げる目標を掲げています。

この世に政府主導で行っている事もクレジットカード、EC決済が増えている理由でしょう。

クレジットカード業界の課題

クレジットカード業界の現状は上記のようになっていますが、今後はどのように成長していくのか?

まだまだ日本のキャッシュレス比率は低い?

日本のキャシュレス決済比率は年々増加はしていますが、世界に比べるとまだまだ低いといえますね。

先程も書きましたがキャッシュレス市場規模は2018年度で65兆3720億円ですが、同年度の個人消費市場は298兆2480億円と推計されています。

つまり2018年度のキャッシュレス決済比率はおよそ21.9%と2割を少し超えるほどしかありません。

対して主要各国では40~60台ですから、日本はまだまだ低いと言えますね。

この原因は、日本の治安の良さと、加盟店手数料の高さが挙げられます。

1.治安が良いため現金を持ち歩くことに抵抗がない

日本の治安が良い為、現金を持っていても狙われる事がほとんどないというのが、キャッシュレスが進まない原因でしょう。

諸外国では犯罪率も高く、多額の現金を持っていると狙われますからね。

2.加盟点手数料が高い

日本のクレジットカード加盟点の手数料は、およそ4~6%となっています。

これは世界標準に比べると1%ほど高く、中小店舗がクレジットカード対応に踏み込めない原因ともいわれています。

クレジットカード業界の今後の展望は?

クレジットカード業界は今後どのように動いていくでしょうか?

キャッシュレス決済の促進が政府の思い通りに進めば、キャッシュレス利用環境は大きく整備され、それによる利便性向上や効率化などといったメリットが見込まれます。

さらに、顧客情報のデータを利用することで購買につなげる戦略を新たな視点から生み出すことも出来るでしょう。

まだまだ伸びしろがあるということですが、何をすれば良いのかを下記でご紹介します。

・クレジットカード発行枚数の増加

「クレジットカード発行枚数調査」によると、2018年3月末でのクレジットカード発行枚数は2億7827万枚。

これに対し2019年3月末での発行枚数は2億8394万枚と2.0%ほど増加しています。

2019年3月1日時点での日本の総人口推計値は1億2622万人なので、国民一人当たりおよそ2.25枚のクレジットカードを持っている計算になります。

新しいクレジットカードを持つことによるメリットの提供なども相まって、今後も発行枚数は増加していくと考えられますね。

・ビッグデータによるデータビジネスの展開

クレジットカード利用によるキャッシュレス決済が進むことで、顧客の情報はビッグデータとして蓄積されていきます。

クレジットカード各社は保有するこの膨大なデータを用いて、より効率的な新しいビジネスモデルを立ち上げることが出来るという事。

・東南アジアへの進出

日本発のクレジットカード会社で唯一国際ブランド化しているJCBは、さらなる海外発展を求めて東南アジア諸国への進出に挑んでいます。

JCB公式サイトによると、ここ5年で海外カードの会員数は2倍以上に増加し、その数は3018万人に達しているそうです。

ASEAN諸國の銀行をターゲットの中心とし、新興国の経済成長とともに加盟点ネットワークを拡充させる仕組みです。

まとめ

今回の記事ではクレジットカード業界の現状と課題について紹介しました。

クレジットカードの決済比率は年々上昇していますが、まだまだ外国と比べると低いというのがわかりました。

今後はクレジットカードだけでなく、電子マネーやデビットカード、プリペイドカードの浸透、東南アジアへの進出など、まだ普及率の低い国や地域への進出などがトレンド化すると予想されます。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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