アメックスデルタのサービス変更から半年・・・今後も使い続ける価値があるのか大検証!

『アメックスデルタ(デルタ スカイマイル アメリカン・エキスプレス・カード)』は、2018年6月26日からカード付帯サービスの内容を一部が改定されました。

このことは、アメックスデルタ会員をはじめ、クレジットカードの利用でマイルを貯める陸(おか)マイラーの中で、「サービスの改悪が起こった」として騒がれました。

それから半年、アメックスデルタでは改悪点をカバーできるだけのサービスを、会員らに提供することはできているのでしょうか?

今回このページでは、アメックスデルタのサービス内容において、
「どの点がどのように改定されたのか」
「どの点が改悪としたのか」
「カードユーザー&マイラーの本音」
などをご説明するとともに、
「今後も使い続ける価値があるのか」
についても検証していきます。

【1】アメックスデルタカードの基本機能と特長

アメックスデルタカード(デルタ スカイマイル アメリカン・エキスプレス・カード)は、アメックスとアメリカの航空会社「デルタ航空」が提携して誕生した、アメックス発行の一般クレジットカードです。

まずはアメックスデルタカードの基本機能を見ていきましょう。

アメックスデルタカードの基本機能

◆年会費:12,000円+税(12,960円)

◆家族カード:年会費6,000円+税(6,480円)/最大6枚まで発行可能
※入会資格は、配偶者・両親・18歳以上の子供です。

◆ポイント:アメックスのポイントプログラム「メンバーシップ・リワード」は適用外

◆マイル:カード利用額「100円につき1マイル」、有効期限無し
※デルタ航空のマイルプログラム「スカイマイル」が付与されます。

◆旅行傷害保険:

傷害死亡補償(国内・海外)/傷害後遺障害補償(国内・海外)/傷害治癒費用補償(海外)/疾病治癒費用補償(海外)/賠償責任補償(海外)/携行品損害補償(海外)/救援者費用補償(海外)

◎傷害死亡補償(国内・海外):5,000万円(配偶者やカード会員と生計を共にする親族は最高1,000万円)

◎傷害後遺障害補償(国内・海外):最高5,000万円(配偶者やカード会員と生計を共にする親族は最高1,000万円)

◎傷害治癒費用補償(海外):最高100万円

◎疾病治癒費用補償(海外):最高100万円

◎賠償責任補償(海外):最高3,000万円

◎携行品損害補償(海外):1回の旅行中最高30万円、年間限度額100万円

◎救援者費用補償(海外):保険期間中最高200万円

◆カードセキュリティ:
不正プロテクション/オンラインプロテクション/ショッピングプロテクション/リターンプロテクション/カード紛失時の再発行/アメックス本人認証サービス

各カードセキュリティ詳細
◎不正プロテクション:第三者によるカード不正使用が起こった場合には、そのカード取引損害は補償対象となります。

 

◎オンラインプロテクション:オンラインショッピング時にカードの不正使用が発覚した場合には、そのカード取引分は負担対象外となります。

 

◎ショッピングプロテクション:アメックスデルタカードで購入した商品が損害(破損や盗難など)を受けた場合、国内外問わず、購入日から90日間において最高500万円まで補償されます。

 

◎リターンプロテクション:カード購入商品の返品を店舗が拒否した場合、アメックスに返品すると購入代金を返金してくれます。(購入日から90日以内の申請に限る)

 

◎カード紛失等の再発行:カードの紛失や盗難のトラブルが起こった場合、無料で新カードを再発行してくれます。
また、即時発行を希望する場合には、「緊急仮カード」を発行してくれます。

 

◎本人認証サービス:オンラインショッピング時には、アメックスよりワンタイムパスワードが遅れられてきます。
オンライン決済では、パスワードを入力しないと決済ができないシステムとなっているため、万が一カードが第三者にわたっても悪用されることはありません。

アメックスデルタカードの特長

1)入会時・継続時・初フライト時などにボーナスマイル!

アメックスデルタカードの大きな特長が、デルタ航空の「スカイマイル」が貯まることです。

通常、カード利用額100円につき1マイルが貯まりますが、その他に様々なタイミングでうれしいボーナスマイルがゲットできます。

①入会時:期日までに入会金を支払うことで、ボーナス5,000マイルが付与されます。

②入会後3か月以内:カード利用額が25万円を超えると、ボーナス7000マイルが付与されます。

③初フライト時:入会後6か月以内にデルタ航空の航空券をカードで購入+デルタ航空を初利用で、利用クラスごとにボーナスマイルが付与されます。

*デルタ・ワン/デルタ・ワン スイート⇒フライト完了後にボーナス25,000マイル

*デルタ・プレミアムセレクト/デルタ・コンフォートプラス/メインキャビン/ベーシックエコノミー⇒フライト完了後にボーナス10,000マイル

④継続時:入会から1年が経過した後、次年度の年会費を期日までに支払うことで、ボーナス2,000マイルが付与されます。

⑤カード利用25万円達成時:2,500マイルが通常付与されます。
ボーナス特典がないと、たとえ1年以内にカード利用額が25万円を達成しても、得られるマイルは2,500マイルにしかなりません。
しかし、①~③のボーナス特典が付くことで、⑤と合計して最高39,500マイルがゲットできるのです。

また、その後アメックスデルタカードを継続すれば、最高41,500マイルがあっという間に貯まることになります。

2)入会と同時にスカイマイル上級会員「シルバーメダリオン」に!

デルタ航空では、頻繁に利用してくれるお客様だけが資格を取得することができる「メダリオン会員資格取得プログラム」があります。

メダリオン会員資格には、シルバー・ゴールド・プラチナ・ダイアモンドの4つのメダリオン資格があり、取得するためにはそれぞれ規定のマイルを集める必要があります。

各メダリオン会員の必要マイル数は、

・シルバーメダリオンが25,000マイル

 

・ゴールドメダリオンが50,000マイル

 

・プラチナメダリオンが75,000マイル

 

・ダイアモンドメダリオンが125,000マイル

となっています。

アメックスデルタカードに入会すると、入会特典として5,000マイルは自動的にゲットすることができますが、1)でご説明したボーナスマイルをゲットするには、条件を満たすようにカードを利用しなければシルバーメダリオンになることはできません。

ですが、実はこのカードには、「シルバーメダリオンが無条件で利用できる特別入会特典」が付いており、入会日から1年間において楽しむことができるのです。

シルバーメダリオンになると、以下のような特典を受けることができます。

①デルタ航空利用で専用エリアにて優先チェックインができる!

シルバーメダリオンになると、デルタ航空を利用時にはメダリオン専用チェックインエリア(ビジネスクラス/ファーストクラス)にて、優先的にチェックインが行えます。

そのため、チェックインの長い列に並んで順番を待つ必要もなくなり、時間を有効に利用することができます。

②空席があれば直前に無料でシートのアップグレードが受けられる!

デルタ航空では、国際線の一部路線で提供されている「デルタ・コンフォートプラス」が利用できます。

デルタ・コンフォートプラスとは、ワンランク上のシートに空席がある場合に、エコノミーシートの利用料金に少しだけ追加料金をプラスすることで、シートをアップグレードできるサービスです。

上級シートになると、足元が広々としてシートも大きく倒すことができるので、リラックスすることができます。

また、頭上には専用の収納スペースがあるほか、正面のモニター「デルタスタジオ」で様々なエンタテインメントを楽しむこともでき、充実した時間を過ごせます。

シルバーメダリオンになると、有料のデルタ・コンフォートプラスを「無料&無制限で利用」することができるのです。

これはうれしいサービスですね。

3)無期限でマイルが貯められる!

「マイルに有効期限がある」ことは、マイラーの方にとってはとても厄介ですね。

ANAマイルのように有効期限が3年に設定されていると、期限を気にしながらマイルを貯めていかなくてはなりません。

その点、スカイマイルは「無期限マイル」なので有効期限を気にすることなく、貯めたいだけ貯めることができるのです。

特に、デルタ航空の特典航空券をゲットするとなると、とても多くのマイルが必要となります。

例えば、日本~ホノルル区間だと、デルタ航空のエコノミークラスで往復70,000マイルは必要となります。

アメックスデルタカードのボーナスは「入会時の限定特典」がほとんどで、2年目以降は「継続時ボーナス2,000マイル」・「海外利用時マイル1.5倍」・「デルタ航空の支払利用2倍」などがメインとなってきます。

そのため、大きな買い物をしない限りは、初年度よりもマイル獲得数が落ちる可能性が高いのです。

マイルに有効期限が設定されていると、目標マイル数に到達する直前で有効期限に泣かされ、マイル数の多い特典は諦めざるを得ない状況にもなり兼ねません。

ですが、アメックスデルタカードのスカイマイルならば、有効期限が無いので目標マイル数に向かってどんどん貯めることができ、特典航空券をゲットすることもできるのです。

【2】アメックスデルタのサービス改定ポイントについて

冒頭でもご説明した通り、2018年6月26日にアメックスデルタカードのサービス内容が一部改定されました。

では、一体どの点がどのように変わったのでしょうか?

ここでは、アメックスデルタカードのサービス改定ポイントについて、「改定前と改定後ではどのように変わったのか」・「改定したことで内容は改善したのか、改悪したのか」などを交えて、詳しくご説明していきます。

《アメックスデルタカードのサービス改定ポイント》

1)家族カードが1枚無料に!

2018年6月25日まで(サービス改定前)は、アメックスデルタの家族カードには6,480円(税込)の年会費がかかっていました。

それが2018年6月26日から(サービス改定後)は、家族カードの年会費が1枚無料に変更されました。
※家族カードを2枚以上所有している場合には、入会日が早いカードが優先的に無料となります。

家族カードが1枚無料になった点については、改定前よりも「サービス内容が改善された」ことになります。

2)海外でのカード利用でボーナスマイル付与率がアップ!

サービス改定前は、海外でアメックスデルタカードを利用しても、通常マイル(100円=1マイル)しかゲットできませんでしたが、サービス改定後は「通常の1.3倍(100=1.3マイル)」にアップし、よりマイルが貯まりやすくなりました。

マイル付与率については、改定前と大幅にアップしたわけではありませんが、0.3倍でもアップしているので「サービス内容が改善された」ことになります。

3)シルバーメダリオン会員資格が2回目以降は条件付き付与に!

改定前は、アメックスデルタカードに入会すれば、シルバーメダリオン会員が「無条件・無制限で自動付与」されていました。

しかし改定後は、入会から1年間はプログラム期間として無条件で自動付与されますが、このプログラム期間に条件を達成できないとシルバーメダリオン資格を取得できなくなります。

例えば、2018年7月1日にアメックスデルタカードに入会した場合、2018年7月1日~2019年6月30日までが初回プログラム期間となり、2019年7月1日~2020年6月30日が2回目プログラム期間となります。

改定後は、初回プログラム期間(1年間)に「アメックスデルタカード利用100万円以上」を達成させなければなりません。

つまり、初回プログラム期間のカード利用額が100万円未満だと、アメックスデルタの一般会員サービスしか受けられないことになります。

この点に関しては、無条件付与されていたサービスが「ハードルの高い条件付き」に変更されたことから、「サービス内容が改悪になった」と言えます。

4)カード利用100万円達成ごとのボーナスマイル付与が無しに!

これまでは、アメックスデルタカードの利用100万円ごとに5,000マイルのボーナスが付与されてきましたが、サービス内容が改定されたことでこのサービス自体が無くなりました。

例えば、カード利用額が300万円を達成したとします。

改定前では、100万円達成で5000ボーナスマイル、200万円達成で5,000ボーナスマイル、300万円達成で5,000ボーナスマイルが付与され、合計15,000マイルがゲットできていました。

ところが、改定後はカード利用額300万円を達成しても0マイルとなるのです。

これは高額利用ユーザーにとっては大きなデメリットとなるため、「改悪点」となると言えるでしょう。

【3】アメックスデルタカードユーザーは一部改定をどう思っている?

アメックスデルタカードのサービス改定については、カードユーザーやマイラー達が注目しており、ネットでも「アメックスデルタカードのサービスが改悪した!」という声がたくさん見受けられました。

多くの方は、やはりメダリオン会員資格がプログラム化され無条件利用は初回の1年間のみ、2回目(2年目)以降は100万円以上のカード利用が必須となったことが大きな衝撃だったようです。

アメックスデルタカードのユーザーはハイステイタスな暮らしをしている方も多く、そのような方たちにとっては、毎年100万円以上のカード利用も困難なことではなく、サービス内容が改悪になってもそれほど動揺することはないでしょう。

しかし、全てのアメックスデルタユーザーが毎年100万円以上のカード利用をしているわけではなく、アメックスデルタをメインカードとしていない方の中では「持つ意味がなくなった」という声も聞かれました。

一方で、飛行機に乗らずしてスカイマイルを貯めている陸スカイマイラーの中には、アメックスデルタカードの利用方法をサービス改定以前の利用方法と変えることによって、この改悪点をカバーできるとしています。

このように、アメックスデルタカードのサービス改定はユーザーによって影響は異なり、「デメリット」だと感じる方もいれば、「それほど影響はない」という方もいました。

また、マイルの効率的な貯め方を熟知している陸マイラーの中には、「改悪点をカバーする対処法」などでデメリットをメリットに変えている方もいました。(アメックスデルタカードの改悪点をカバーする対処法については、次の項目でご紹介していきます)

【4】アメックスデルタカードは今後も利用する価値がある?

2018年6月26日より、アメックスデルタカードはサービス内容を大きく改定しましたが、その後も利用する価値があるクレカだと言えるのでしょうか?

この点に関しては、アメックスデルタをメインカードとして利用しているか否かによって変わってきます。

アメックスデルタをメインカードとして利用している方であれば、これまで現金払い・銀行振込としてきた利用料金の支払いをカード払いに変更することで、年間カード利用額150万円以上とすることも可能だからです。

例えば、4人暮らしの一般家庭の場合、定期的に支払う料金として「電気」・「ガス」・「水道」・「家賃/住宅ローン」・「携帯電話」などが挙げられます。

これらの利用料金の年間平均支払額は以下のようになります。

a.電気⇒約144,000円/年
b.ガス(プロパン)⇒約84,000円/年
c.水道⇒約72,000円/年
d.家賃/住宅ローン⇒約1,200,000円/年※月10万円の支払いとした場合
e.携帯電話(両親2人分)⇒約216,000円/年

上記の年間平均額を合算すると171万6,000円となります。
ガスを使用しない場合でも164万4,000円を年間支払っていることになります。

年間カード利用額が170万円前後になれば、シルバーメダリオン資格を維持できるほかマイルも貯まります。

これはあくまでシミュレーションであり、必ず上記のような結果になるわけではありませんが、定期的に支払っている利用料金の支払いをアメックスデルタカードにすることで、このカードを利用する価値は大きく上がります。

一方、アメックスのポイントや他の空港会社のマイルも貯めたいと考えている方には、一度必要性を考えてみたほうが良いかもしれません。

というのも、アメックスデルタカードをメインカードにすると、アメックスのポイントやANAマイルなど他の空港会社のマイルが貯められなくなってしまいます。

ですが、スカイマイルはJTB旅行券に引き換えることができるため、全く利用する価値がないとは言い切れません。

アメックスデルタカードをメインカードとしない方は、「ポイントや他のマイルをどのように利用するか」、「年会費以上のサービスを受けているか」などから、このカードの利用価値を考えると良いでしょう。

【5】まとめ

アメックスデルタカードは、デルタ航空のスカイマイルを無期限で貯めることができる点に大きな魅力があります。

他の各航空会社のマイルは、そのほとんどに有効期限が設定されているため、目標マイル数を達成する前に期限を迎えてしまうというケースが起こってしまいます。

ですが、スカイマイルは期限が無いので貯めたいだけマイルを貯めることができ、必要に応じて特典航空券や旅行券などに引き換えることができます。

ただし、アメックス発行のカードでありながらアメックスのポイントを貯めることができない点、入会時に自動取得できたシルバーメダリオン会員資格が、2年目以降は条件付きの付与となった点、また100万円利用達成ごとのボーナスマイルの廃止など、利用しにくいと感じる点もあります。

特に、サービス改定によって変更された「シルバーメダリオン資格」と「100万円ごとのボーナスマイル廃止」に関しては、多くのユーザーやマイラーの中で「サービスが改悪された!」と話題になりました。

「改悪」という言葉が先回りして「アメックスデルタカード=価値低下」というイメージを持ってしまいがちですが、このカードの特長やサービスの改良点などを知れば、決して価値が無くなったわけではありません。

アメックスデルタカードを今後利用し続けるべきかについては、ユーザーそれぞれがこのカードをどのように利用していくかによって変わってくるのです。

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