JCBにはJCB ORIGINAL SERIESというプロパカードシリーズがありますが、その中にはANAと提携しJCBが発行する、「JCBプラスANAマイレージクラブ」というカードがあります。
JCBの一般カードの機能に、ANAマイレージクラブ機能が搭載されており、これ1枚でポイントもマイルも貯めることができる欲張りなカードです。
そこで、今回は「JCBプラスANAマイレージクラブ」に興味を持たれた方に、このカードの基本情報やメリット・デメリットをご紹介していきたいと思います。
◆JCBプラスANAマイレージクラブとは?
JCBプラスANAマイレージクラブの基本情報をご紹介します。
◎カードフェイス:ブルーを基調とし、左上にANAのロゴと飛行機のデザイン入り
◎年会費
・本会員:1,250円+税
・家族会員:400円+税
◎申込対象
・本会員:18歳以上で、本人(または配偶者)に安定した収入が継続的にある方/18歳以上で学生の方(高校生を除く)
・家族会員:生計を共にする配偶者、親、子供(高校生を除く18歳以上)※本会員が学生の場合は申し込み不可
◎旅行傷害保険(死亡・後遺傷害保険金)
・海外:最高3000万円
※MyJチェックに事前登録し、出国前に搭乗する飛行機チケット類または、参加するツアー旅行などの料金を、JCBプラスANAマイレージクラブで支払った場合に適用されます。
・国内:最高3000万円
※MyJチェックに事前登録し、前もって搭乗する公共交通機関のチケット、宿泊施設、参加するツアー旅行の料金を、JCBプラスANAマイレージクラブで支払った場合に適用されます。
◎海外・国内航空機遅延保険
・乗継遅延費用保険金(客室料・食事代):無し
・出航遅延費用保険金(食事代):無し
・寄託手荷物遅延費用保険金(衣類購入費用など):無し
・寄託手荷物紛失費用保険金(衣類購入費用など):無し
◎ショッピングガード保険
JCBプラスANAマイレージクラブで購入した商品が、90日以内に破損や盗難の被害に遭った場合、1事故につき免責金額1万円で補償されます。
・海外の場合:年間最高100万円
・国内の場合:無し
◎付帯特典
・OkiDokiポイント:税込1,000円=1ポイント(ポイント優待店利用でポイント2倍以上、海外での利用でポイント2倍、ポイント優待サイト経由の利用でポイント最大20倍)
・ANAマイレージクラブ:ANAグループ便や提携航空会社のチケットをJCBプラスANAマイレージクラブで購入すると、ANAマイルを貯めることができます。
◎追加可能カード
・ETCカード:カード1枚に対して「ETCスルーカード」1枚が発行可能
JCBプラスANAマイレージクラブとは別に発行されるETC専用カードで、ETCスルーカード利用分は、JCBプラスANAマイレージクラブに一括精算されるので便利です。
・QUICPay:提携店舗の端末に、カードやスマートフォンをかざすだけで決済ができる便利な支払いサービスです。
コンビニ、ファミリーレストランなどで使えるほか、東京ディズニーリゾートでも利用可能です。
申込みはスマートフォンならApple PayやGoogle Pay、おサイフケータイなどから登録でき、nanacoカードユーザーでカードの裏面にQUICPayマークがついていれば、手続きだけでnanacoカードでもQUICPayが利用できます。
JCBプラスANAマイレージクラブユーザーなら、「ANA QUICPay+nanaco」というキーホルダー型の電子マネーが使えますよ。
・家族カード:家族会員全てがポイントを貯められ、本会員の付帯サービスを同等に利用することができます。
家族カード利用分は本会員カードに一括精算されるので、家計の管理も楽です。もちろん、貯めたポイントを本会員カードに合算することもでき、ポイント優待などが受けられる「JCB STAR MEMBERS」になることも可能です。
※JCB STAR MEMBERSは、年間利用額が一定額を超えた方を対象としたJCBのメンバーシップサービスで、JCBプラスANAマイレージクラブも対象カードとなっています。
◎WEBサービス:MyJCB(オンライン入会時のみ自動登録)
MyJCBは会員専用のWEBページで、JCBプラスANAマイレージクラブの利用履歴やポイント残高、利用可能額などをいつでもチェックできるほか、貯めたポイントをその場で交換したり、定期的に実施されているキャンペーンへのエントリー、支払方法の変更手続きなども行えます。
また、利用残高を超えるカード利用があった場合には、その旨のメールで知らせてくれるので、使い過ぎを防止することもできますよ。
◎提携先:ANA(全日空)
◎Apple Pay:認定可
◎Google Pay:認定可
◎サービス付帯年会費
・本会員:300円+税
・家族会員:300円+税
◆JCBプラスANAマイレージクラブのメリット
JCBプラスANAマイレージクラブにはJCBカードのメリットに加え、ANAマイレージのメリットも得ることができます。
(1)ANAマイルが貯まる
JCBプラスANAマイレージクラブを使ってANAグループ便や提携航空会社を利用すると、ANAマイルを貯めることができます。
貯まるマイルは、国内線・国際線・提携航空会社によって変わってくるので、それぞれのマイル積算条件をご紹介しますね。
◎国内線フライトマイルの積算条件
国内線は、搭乗区間の基本マイレージに、搭乗時の運賃種別ごとに決められた積算率をかけて算出します。その積算式は、以下の通りとなります。
『国内線フライトマイル=搭乗の区間基本マイレージ×運賃種別ごとの積算率』
2018年10月28日搭乗分以降の区間基本マイレージに対する積算率は150%~50%となっており、対象運賃によって異なります。
◎国際線フライトマイルの積算条件
国際線は、搭乗区間の基本マイレージと、利用した予約クラスごとに決められた積算率をかけて算出します。その積算式は、以下の通りです。
『国際線フライトマイル=搭乗区間の基本マイレージ×予約クラスごとの積算率』
2018年12月現在における、予約クラスの積算率は150%~30%で、以下の通りとなります。
・ファーストクラス:F、Aクラス⇒150%
・ビジネスクラス:Jクラス⇒150%/C、D、Zクラス⇒125%/Pクラス⇒70%
・プレミアムエコノミークラス:G、Eクラス⇒100%/Nクラス⇒70%
・エコノミークラス:Y、B、Mクラス⇒100%/U、H、Qクラス:70%/V、W、S、Tクラス⇒50%/L、Kクラス⇒30%
◎提携航空会社のフライトマイル積算条件
ANAは、世界40の航空会社を提携しており、そのフライトマイル積算条件は、各提携航空会社によって変わります。
★ハワイ旅行で効率良くポイント&マイルを貯めることも
例えば、夏休みにハワイ旅行に出かけたとします。
ホノルルまでの往復航空券をJCBプラスANAマイレージクラブで購入した場合、約7,600マイルを貯めることができます。
また、ショッピングで10万分をカード利用した場合、海外での利用はいつでもポイント2倍なので、10万円利用で200ポイントが貯められます。
つまり、1度のハワイ旅行で7,600マイルと200ポイントを貯めることも可能なのです。
年に1回~2回程度は海外旅行に行くという方には、JCBプラスANAマイレージクラブを利用するとメリットが大きいです。
★ANAグルメマイル参加店の利用でANAマイルが貯まる
ANAマイルは、フライトマイル以外にも貯めることができます。
例えば、日本全国にあるANAグルメマイル参加店にて、JCBプラスANAマイレージクラブを呈示し、マイル精算を希望する旨を伝えると、税込100円につき1マイルを貯めることができますよ。
ANAグルメマイル参加店は、一流ホテルのレストランからチェーン店のファミリーレストランまで様々あり、ユーザーのニーズに合わせて選ぶことができます。
飛行機を頻繁に利用しない方でも、グルメマイルなら貯めやすいですね。
(2)貯めたポイントはANAマイルに交換できる
JCBプラスANAマイレージクラブで貯めたポイントを、ANAマイルに交換することも可能です。その際には、「1ポイント=3マイル(ANAマイル)」で交換できますよ。
(3)オンライン入会で年会費初年度無料、条件を満たせば翌年も無料
JCBプラスANAマイレージクラブは、年会費として1,250円+税がかかりますが、オンラインで入会すると初年度の年会費が無料になります。
家族カード(年会費400円+税)においても、本会員カードが無料であれば無料になります。
ただし、どちらもサービス付帯年会費300円+税は無料にはならないので注意してくださいね。
また、以下の2条件を満たすことで、翌年の年会費も無料にすることが可能です。
①年会費支払月の前々月19日までに、MyJチェックに登録する
②年間合計50万円以上、カード利用(ショッピング)する
公共料金や定期的な支払がある料金を、JCBプラスANAマイレージクラブで支払うようにすると、年間50万円以上も不可能ではありません。
ポイントもどんどん貯まりますし、フライトマイルやグルメマイルも貯められるのでおすすめです。
(4)キーホルダー型電子マネー「ANA QUICPay+nanaco」が使える
JCBプラスANAマイレージクラブならではのメリットとして、「ANA QUICPay+nanaco」が利用できます。
これは、スマート電子マネーQUICPayと、セブン&アイグループで利用できる電子マネーnanacoの機能に、ANAの「スキップサービス」が加わった機能性の高い電子マネーです。
キーホルダー型でいつでも持ち運びができ、カードと違って紛失しにくいのでとても便利です。
このうち、ANAのスキップサービスとは、国内線利用の際、チェックインの列に並んで搭乗手続きをすることなく、直接保安検査所へと進めるサービスです。
このサービスは、事前にANAの国内線チケットを予約しJCBプラスANAマイレージクラブで購入、更に座席指定も完了している方が対象となります。
搭乗の際にこのキーホルダーを持参し、保安検査所にある端末にキーホルダーをかざせばOKです。
搭乗15分前までに行えばいいので、時間を有効活用できますね。
ちなみに、この電子マネーでのQUICPay利用方法は、以下の手順で行います。
②端末にANA QUICPay+nanacoをかざし、端末が緑に点灯すれば決済完了です。
③決済後に「お客様控え」を受け取り、利用内容を確認します。
④支払いは、後日JCBプラスANAマイレージクラブから、他の利用料金と合わせて精算されます。
※この電子マネーでの利用料金も、ポイントとマイル加算の対象となります。
(5)日本唯一の国際ブランドのプロパーカードである
JCBは、VISAやMastercardと並ぶ国際ブランドの1つで、日本では唯一のブランドでもあります。
シェアにおいては、世界的規模のVISAやMastercardには及びませんが、世界各国に加盟店を持っており、その数は国内外合わせて約3000万店舗にもなります。
ですので、海外に出掛けてもJCBプラスANAマイレージクラブが使えないということはありませんので、安心してくださいね。
また、一部の主要都市には、JCB会員が自由にくつろげる「JCBプラザ ラウンジ」も設置されており、以下のような様々なサービスを利用できます。
・日本語新聞や雑誌の閲覧
・現地のガイドブックや情報誌の閲覧
・ドリンクサービス
・マッサージ機利用
・傘のレンタルサービス
・荷物の一時預かりサービス(当日中)
(6)年間の利用額に応じて特別な優待サービスも
カードの年間利用額が一定金額を超えると、お得な特典が受けられる「JCB STAR MEMBERS」が適用されます。
このサービスは事前登録が不要で、JCBプラスANAマイレージクラブも適用対象となっており、条件をクリアすると「ポイントアップ」サービスと、「キャンペーンチャンスアップ」サービスが受けられます。
ポイントは、年間利用額が100万円以上(スターαランク)でポイント20%アップ、50万円以上(スターβランク)で10%アップします。
キャンペーンでは、抽選口数が通常よりもアップし、スターα(年間利用額100万円以上)が通常の4倍、スターβ(年間利用額50万円以上)が2倍にアップします。
※JCB STAR MEMBERSが適用されるのは、集計期間に一定額以上をカード利用した場合に限定されており、その一定期間に条件をクリアすると翌年度に適用されます。
例えば、2020年にメンバー特典を受けられるのは、2018年12月16日~2019年12月15日までの1年間に、一定金額以上を利用した場合となります。
(7)JR東海のエクスプレス予約サービスが利用可能
JR東海では、東海道新幹線と山陽新幹線(東京~博多間)の予約がオンラインで行え、ICカードでスムーズに乗車できる「エクスプレス予約サービス」を提供しており、JCBプラスANAマイレージクラブユーザーは、このサービスを利用することが可能です。
1,000円+税の年会費が掛かりますが、東海道新幹線をよく利用する方には様々なメリットがありますよ。
①利用料金をJCBプラスANAマイレージクラブで決済できる
乗車券の支払いをJCBプラスANAマイレージクラブでできるので、ポイントも付きますよ。
②スマートフォンから簡単予約できる
AM5:30~PM11:30の間ならば、スマートフォンやPCなどからオンライン予約ができます。
乗車券の販売開始は、乗車希望日の1か月前のAM10:00からで、発車時刻の4分前まで予約可能です。
③好きな座席をリクエストできる
座席に余裕がある場合には、「座席番号リクエストサービス」を利用して好きな座席を予約できます。
予約の際には、シートマップを見ながら行うので分かりやすいですよ。
④何回予約変更しても手数料が無料
ICカード「プラスEXカード」で改札を通過する(または切符の受け取り)前、かつ発車時刻前であれば、購入日から3か月以内の乗車日の予約を無料で変更することができます。また、何度変更しても手数料は取られません。
スケジュールによっては、直前にならないとしっかり決定しないこともありますよね。
そんな時、この予約サービスを利用していれば無料で変更ができるのでとても便利です。
⑤一年中会員価格で利用できる
乗車料金は、繁忙期になると価格がアップすることが多いですが、このサービスを利用していれば、いつでも会員価格で購入できます。
例えば、早めの予約でお得に購入できる「早得商品」などがあり、3日前の「EX早得」や21日前の「EX早得21」、のぞみとひかりのグリーン車予約ができる「EXグリーン早得」など様々な早得商品があり、新幹線をよく利用する方にはおすすめです。
⑥ICカードだからスムーズに乗車できる
この予約サービスを利用すると、後日「プラスEXカード」というICカードが届き、このカードが切符の代わりとなります。
つまり、予約後にわざわざ切符を受け取りに駅に行く必要がなくなり、改札もこのカードをかざすだけで新幹線に乗車できます。
◆JCBプラスANAマイレージクラブのデメリット
JCBプラスANAマイレージクラブには様々なメリットがありますが、デメリットもあります。
(1)ANAマイルは貯められるが効率的ではない
JCBプラスANAマイレージクラブは機能性が高いカードであり、日常的に利用していけば様々な特典やサービスを受けられるほか、ANAマイルも貯めることができます。
ただし、ANAマイルを高効率で集められるかというと、そうでもありません。
このカードはJCBのプロパーカードで、JCB一般カードが主体となっており、そこにANAマイレージ機能がプラスしている形です。
つまり、JCBプラスANAマイレージクラブを利用すれば、ANAカードに付帯しているサービスを全て得られるわけではないのです。
その1つがマイルの貯まりやすさです。
がっつりANAマイルを貯めたい方には、高効率でマイルが貯められるカードを選んだほうが良いです。
しかしながら、年に数回ほど飛行機を利用している方で、ポイントとマイルをコツコツ貯めたい方には、JCBプラスANAマイレージクラブはおすすめできますよ。
(2)ポイント還元率がそれほど高くない
JCBプラスANAマイレージクラブは税込1,000円で1ポイント貯まり、1ポイントで4円相当のTポイント・楽天スーパーポイント・WAONポイントなどに交換できるので、ポイント還元率は0.4%となります。
以前は、1ポイント=5円相当でしたので、更に還元率が下がったことになります。ちなみに、マイル還元率は0.3%です。
39歳以下の方が利用できる「JCB CARD W」や「JCB CARD W plus L」は、常にポイント2倍ですからJCBプラスANAマイレージクラブよりも効率良くポイントが貯められることになります。
ただ、ポイント優待店やOkiDokiランドを経由してネットショッピングをすれば、ポイントアップもできるので、工夫しながら利用するのが得策です。
(3)サービス付帯年会費がかかる
このカードにはANAマイレージクラブが付帯していますが、この付帯サービスに対して300円+税の年会費が掛かります。つまり、年会費が実質1,500円+税ほど掛かることになります。
これをデメリットと捉えるかは人それぞれですが、カード特典やサービスの充実度から考えると、納得できる金額ではありますね。
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